これまでURAGAWAでは、デジタルサイネージ、アプリ開発、Web制作などを行う株式会社マスクマンの代表取締役を務めるナカニシケイゴ氏にお話を伺い、チームメンバーや外部のパートナー、そしてクライアント含め、「この人と仕事したら気持ちいい」というマスクマンの “ベストアサイン” を大切にする背景に迫った。

そんなマスクマンでは、異色のキャリアで入社したメンバーがいる。35歳、Web未経験でWebディレクターとして入社した、高須文彬氏だ。2017年1月に入社して約2年の月日が経ったいま、高須氏は猛スピードでWebディレクターとしての成長を遂げ、数多くの案件を担当している。

なぜ高須氏は未経験でありながらWeb制作プロダクションに入社することができたのか、またWebディレクターとしてどのような成長の過程を経ていったのか。代表・ナカニシ氏と高須氏のお二人にお話を伺った。

35歳、未経験でもWeb制作プロダクションであるマスクマンに入社できた理由「普通だったら採用しない人材(笑)」

―― マスクマンに入社しようと思った経緯を教えてください。

高須:転職しようと思って、転職サイトをまず見たんですね。そのとき、漠然と「面白いことをやりたい」と考えていたので、 “マスクマン” って社名がまず面白いなと思ったんです(笑)。それで詳細を見てみたら、Webディレクターの職種での求人だったのですが、Webディレクターが何をやる職種なのか全然わからなくて。

だけど、前職での仕事は進行管理をする仕事だったので、「横文字にしたら、ディレクターか」と思って興味を持つようになりました。また、漠然とWeb業界にも興味を持っていた最中、マスクマンの実績ページに氷室京介さんを起用したWebサイトを手がけていることを知って。

僕がもともと氷室京介さんが好きで、そのサイトも見たことがあったので、マスクマンに運命的なものを感じて応募したのがキッカケです。

―― なぜ未経験であったWeb業界に興味を持っていたのでしょうか?

高須:前職が、新聞折込の求人を扱う仕事だったんです。気づいたら10年勤めていたんですが、同じことの繰り返しだったので、新しいことにチャレンジできる環境に行きたいなと思ったのが1つ。もう1つは、やはり衰退していると言われている紙業界だったので、「これからはWebだ!」と漠然と思っていたことが大きな理由です。

マスクマンに応募したときは35歳だったのですが、「だれでも最初は未経験だろう」と楽観的に思っていたので、経験のあるなしはあまり気にしていませんでした。むしろ、いままでの経験を活かしながら新しいことを覚えていくしかない、と思っていたので、具体的な不安はありませんでした。

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左:代表取締役・ナカニシケイゴ氏、右:高須文彬氏

ナカニシ:高須はWeb業界に関して全くの未経験だったので、普通だったら採用しない人材でした(笑)。だけど、「彼なら」と思える要素を持ち合わせていたので、最初の1年くらいはWebディレクターとしての学習期間かな、と思って採用しました。

もちろんWebのベースとなる知識がないのは大変だなと思ったのですが、高須は知識を越えたところ、たとえば「真面目さ」であったり、「仕事に対して真摯に向き合う姿勢」みたいなものが、面接での会話やこれまでのキャリアでの話から伝わってきまして。

どんな仕事であっても、いま自分がいる場所で全力を尽くせるかどうか、ってあると思うんですよ。高須の場合は前職でもとても頑張っていたのがすごい伝わってきたんです。

実際に入社してからは、1年も経たずWebの知識やWebディレクターとしての立ち振舞を身につけてくれて、嬉しい誤算でした。そして真摯な姿勢はクライアントにも伝わっているみたいで、普段であればクライアントから僕に相談が来たりするのですが、高須は直接相談をもらったりと、クライアントの信頼を得られているのかなと思うと嬉しいですね。

「知っている横文字は “スケジュール” くらいでした」生真面目に、任されたことは全力で取り組み続けた

―― いざ入社してみて、驚いたことは何かありますか?

高須:オフィスの中が静かだなと(笑)。前職がゴリゴリの営業会社だったこともあり、電話がいつも鳴っていて、発破のかけ合いが日常の光景だったので、マスクマンがそれとは真逆の環境であったのに驚きました。

あとは、会話で出てくる言葉がわからないことだらけで驚きましたし、「やばいな」と思いました。いままで使っていた横文字って “スケジュール” くらいだったのに、知らない横文字が飛び交うわけですよ。

ナカニシからは「とりあえず、わけわからない言葉がたくさん出てくるけど調べれば出てくるから。俺もはじめはローンチって何?って感じだったから大丈夫」と言われたのですが、僕自身もローンチってなんだ?って感じでした。

いまとなっては、奥さんに “リスケ” という言葉を使ったら「(Web業界に)染まったね」と言われましたね(笑)。

―― 入社して最初はどういった業務をやっていたのでしょうか?

高須:ある案件でアプリの開発をしていて、デバッグをやるよう指示されたんですね。デバッグってなに?という状態だったのですが、よく聞いてみると、前職でやっていた校正と同じだな、と思ったんです。

それで、他にできることもなくて時間があったので、自分自身の理解を深めるためにもデバッグの項目をすべて洗い出して、ひたすらデバッグ対応をしていました。面倒くさいなと思うことはなく、「やれることがあって、よかった」という感じでしたし、唯一できることであったからこそ、「これだけは譲れない!」と思ってがむしゃらにやっていました。

利用規約の文言も、めちゃくちゃ細かく見ていましたね(笑)。

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ナカニシ:高須は、本当に生真面目だなと思いますよ。そして、一回言われたことを忘れないんですね。記憶力がすごいなと感じましたし、だからこそ一回任せたことは信頼して任せられる。Web業界未経験でわからないことだらけなのに、本当に頑張ってるなと思います。

高須:校正以外、自信を持ってできる!と言えることが本当に何もなかったので、任されたことは全力でやろうと思ってました。あとは、知識を身につけるためにもクライアントに納品するソースコードをめちゃくちゃ見て、基本的なHTMLとかCSSとかを調べてましたね。

クライアントに正しく説明できるようにするため、ということもありますが、デザイナーやプログラマーはやはり何かしら思いがあって制作しているので、その思いを汲み取れるようになりたいなと思って取り組んでいました。

愛があると突き抜けられるクリエイティブがある。だからこそリソース埋めではなく、「ベストアサイン」を大事にしたい

―― 前回の記事ではナカニシさんより、「リソース埋めのアサインではなく、常に最高のチームで案件を担当する ”ベストアサイン” にこだわっている」というお話を伺ったのですが、そういったベストアサインの文化を感じることは多いですか?

高須:多いです。実際いま担当させていただいている競馬の案件があるのですが、僕自身が競馬好きだからアサインしてもらったんだなと感じていて。やはり未知の業界の案件よりも、自分がユーザーでありターゲットである案件は、アウトプットするクリエイティブからどういった感情を抱くかを想像しやすいですよね。

ナカニシ:愛があると突き抜けられるクリエイティブ、というのが存在すると思っているんです。もちろん「好き」だけではダメですけど、案件を担当するメンバーに “ユーザーとして” のファクトが1つ加わる、というのは重要だなと。そういうファクトが加わることで、「じゃあ、こうしよう」といったジャッジがしやすいですし、案件を進める上での土台がしっかりするんですよ。

高須:多くの会社では、会社に言い渡された部署に配属されて、その部署で頑張るという感じだと思うんです。実際、僕も前職では総務の人が辞めることになったら「明日から総務よろしく」と言われたり、ネット関連の担当がいなかったから「ネット担当よろしく」といった人事でした。さすがに、それはなんか違うなとは思いましたけど。

でも、マスクマンでは「人ありき」のチームメイクをするのがとても新鮮で。ナカニシはやっぱり人をよく見ているなと感じますし、実際できあがったクリエイティブはやっぱり良くなるんだなと感じるんです。他のチームの案件を見ていても、「あっ、このチームが正解なんだな」と思えることも多いですよ。

maskman4_3―― 現在、マスクマンに入社して約2年が経ちましたが、今後チャレンジしたいことは何かありますか?

高須:いまWebサイトのワイヤフレームをつくったりしているのですが、僕なりの演出的な考え方をまだ落とし込めていないなと感じているので、しっかりと理想の完成形をイメージして、それを形にするために落とし込んでいく、というのをできるようにしたいなと考えています。

ナカニシからもよく言われるのですが、「自分だからできること」「自分がいるからできた」というものをつくれるようになりたいなと。

ナカニシ:これは僕が尊敬しているあるクリエイティブディレクターの方からよく言われていたことで。「この資料の中には、企画がないよ」と言われるんですよ。はじめのころは「いや、要件満たしているじゃん!」と思って、企画がないということが何を言っているかわからなかったんですね。

これは後から気づいたことなのですが「企画がある」とは、その課題のためだけの強い何かが必要なんだ、ということかなと改めて思い当たったんですね。そのときの自分の企画が手順を踏んで要件を満たす“だけ”になっていたことを指摘いただいたんだ、と。

手順をふむだけなら誰に頼んでも一緒になってしまうよ、という教えだったのかと思います。

だからこそ、ベストアサインするのは当たり前だなと思うようになりました。リソースが空いているから任せる、というアサインではなく、常にベストアサインで望みたいという想いがありますし、より良いアウトプットをするためにもベストアサインにこだわりたいんです。

高須:また、デザインのこともしっかりと学びたいと思っています。そしてデザイナーやプログラマーの個性や思いというものを、一つひとつ汲み取ることができるようになりたいですね。

「家族のことを考えてくれる会社って、実際そんなにないと思う」心と身体を壊してまでやらなきゃいけない仕事なんてない

―― マスクマンに入社してこれまでで、嬉しかったことは何ですか?

高須:いろいろあるんですけど、とある案件でユーザーからの応募企画があったんですね。そして1万通の応募があればいいところを、予想を越える5万通の応募がきたのは嬉しかったですね。また、以前に沖縄県の案件を携わらせてもらったのですが、僕の奥さん側の親戚が沖縄の方なので、家族から喜んでもらえたのが本当に嬉しかったです。

ナカニシ:ご家族が喜んでくれたり、応援してくれたりするって、大切じゃないですか。奥さんやお子さんが「お父さんはすごいお仕事しているんだよ」って言ってもらえるのって自分たちも嬉しいですからね。

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―― 最後に、高須さんにとって「マスクマン」とは?

高須:なんですかね……(笑)。

ナカニシ:「生活の糧」でいいんじゃないかな。

高須:当たり前のことを言うかもしれませんが、マスクマンは少数精鋭の会社だなって日々感じています。プロ意識も高いし、良いものをつくろう!という想いが強い会社だなと。これ、すごい上からっぽく聞こえないですか?(笑) 大丈夫かな。

ナカニシ:大丈夫じゃない?(笑)「会社とは?」「あなたにとって仕事とは?」とか、こういういくらでも正解がある質問にすらすら答えられる人ってすごいな……と思うんですよ(笑)。うまく答えられなくて当たり前(笑)。飯を食うということは、仕事をしないといけない。そして誰かがやらないといけない仕事があって、それをやらなきゃいけない立場にいるんだから、やりましょう。ただ、それだけなのかなと。

また、仕事をして報酬をいただくということは、誰かに「ありがとう」と言われないといけなくて。いま自分ができることで、お客様から「ありがとう」の言葉をいただけるのはこの仕事だろう、と僕は思いましたし、一番「ありがとう」と言われるためには一人ではできないからベストアサインをしてチームで仕事をしていて。

でも、その仕事が「合わない」とか「ツラい」とかであれば別ですよ。心と身体を壊してまでやらなきゃいけない仕事なんて、この世の中にないですから。そして、家族よりも優先すべきものは何もないわけです。

仮に今日締切の案件を抱えていたとしても、家族に何か大変なことがあったら「早く帰れ、お前!」ってなるじゃないですか。

高須:マスクマンに入社して思ったのですが、家族のことを考えくれる会社って、世の中にそんなにないですよ。僕の社会人最初のキャリアでは、始発で仕事に行って終電で帰る、というのが2週間続いたりして、「これは違うな」と思っていました。

だから、うちの奥さんも「マスクマンに入れてよかったね」って言ってます。いい会社ですよ。

ナカニシ:一家の大黒柱をお預かりしているわけですからね(笑)。社員本人だけではなく、そのご家族にとっても「いい会社」って言われる会社でありたいな、と思います。